増えすぎた借金。
毎月やってくる返済日。
毎日の学校の業務をこなしながら、頭のなかを占めるのはお金の借り方と返し方。

と感じていませんか?
私もそうでした。
お金に余裕がある時期もありましたが、振り返ってみるとしんどい時期の方が多かったです。

借金が(それも相当の借金が)あると、精神的にしんどくなることが増えます。
お金の余裕は心の余裕、よく言ったものです。
借金でしんどくなって、毎日生きてるのも苦痛になっていた私を救ってくれたのが「債務整理」でした。
誤解していたり、得体の知れない不安みたいなものがありましたが、利用してみたら意外とあっさりしていて拍子抜けしました。
今回はそんな「債務整理」について話していきます。

目次
教師の立場で債務整理すると、どんな不都合が生じるのか?


結論を先に申し上げると、教師の立場で債務整理しても不都合なことは特にありませんでした。
ただし、債務整理も種類が3種類あるため
- あなたの状況や借り入れの総額
- 返済の目処
- 周知の程度(バレてもいいのか悪いのか)
これらの違いによって、取るべき対応(債務整理の種類)が変わってきます。
債務整理の具体的な話は後述しますね。

学校や生徒、教育委員会にバレるのではないか?
真っ先に思い浮かべる不安材料は、これじゃないでしょうか。

学校(管理職や同僚たち)や生徒にバレてしまうとか、教育委員会から呼び出しをくらうんじゃないだろうか…と不安になりますよね。
あくまで私の経験のみで話しますが、教師が債務整理した場合
- 生徒や保護者にバレることは、ありません。
- 管理職や教育委員会にはバレない可能性と、バレる可能性の両方が存在します。
基本的に教師のあなたが債務整理した事実については、学校関係者にバレるということがありません。
あなたから公表しない限り。
しかしなかには、管理職と教育委員会には必ずバレてしまう時もあります。
それは教職組合や互助組合からの借り入れがあって、その借金を債務整理により減額しようとするときです。

安心してください。
消費者金融等からの借り入れだけなら、学校関係者には知られない
法律家ではありませんので専門的な内容は避けますけど、債務整理は3つに分けられます。

任意整理
各債権者(多くの場合、消費者金融会社やローン会社)に対して、利息の撤廃、新たな返済計画の提示などを、和解(再契約)すること。
個人再生
現在の借金の総額を減らしてもらうよう(概ね5分の1程度)裁判官に認めてもらい、認めてもらった返済計画に基づいて返済していく方法。
自己破産
現在の借金すべてを無くしてもらうよう、裁判官に認めてもらうこと。(条件あり=免責事由)
この3つに分けることができます。

この3つの方法はいずれも、債権者(お金を借りている相手)が消費者金融やカードローン会社であれば、基本的に学校関係者はもちろんのこと、ご家族や身内にバレるということもありません。


私は弁護士を利用したので、あくまで弁護士を利用したら・・・という前提で話しますね。
弁護士に債務整理の依頼をして、仮契約(費用とかを払っていなくても、代理人として動いてくれることが決まること)が済むと、弁護士はすぐに各債権者へ「受任通知」を送付します。

この受任通知に

という文言が入っているので、大手はもちろん、規模の小さい会社なんかも割としたがってくれます。
(規模の小さいところは、迷惑行為で営業停止をくらいたくないから割と素直に従うのだそうです。)
そのため、受任通知を送付した時から督促の類いはいったんストップになりますし、返済もいったん猶予されます。

この受任通知はあくまで債権者のみに送りますので、職場や家庭には入りません。
よって、あなたが債務整理をしようとしている事実は
- あなた
- 弁護士(または司法書士)
- 各債権者
この3者しか知り得ません。

ただし法律家の手助けは絶対必要です。
バレるバレない以前の問題でもありますが、やはり専門家が付いてくれているというのは心強いです。

念のため申し上げると、自己破産の場合は「官報」という公的な冊子に名前が載ります。
この冊子は誰でも見られるような冊子ではあるのですが、一般の人はおろか学校関係者もそうそう見る冊子ではないので、官報に名前が載っているからバレた・・・という可能性は少ないそうです。

学校関係者や家族に債務整理の事実がバレるときは、こんな時

と思い始めたあなた、ちょっと待って下さい。
バレてしまうケースもありますので、心構えの一つとして知っておいてください。
街金を相手にする場合は、ちょいと注意した方がいい
有名な大手消費者金融ではなく、中小の貸金業、いわゆる「街金」である場合は、ちょっと注意が必要です。
なぜなら、受任通知が入る=貸し倒れの危険がかなり高まった、ということなので「なんとかしてお金を回収しよう」と動くからです。
特に自己破産の時には。

余談ですが、きちんとした(?)街金であれば必ず「貸金業登録番号」が割り振られています。

この登録番号には必ず( )とその中に数字が入っています。
この括弧の中の数字は更新回数を表します。
貸金業の登録は3年ごとに更新する必要があるので、括弧のなかの数字が多いほどルールに乗っ取って更新をし続け、営業している目安につながります。

裁判所からの通知文で、自宅と職場にバレる可能性
が、しかしですよ。
街金は例え少額だとしても回収が見込めなくなると、営業存続に直結してしまうので、あの手この手で回収しようとしてきます。

例えば、街金から弁護士に対して

と時期を伺い、1年近くかかりそうだなと言うことがわかれば(多くの場合は悟られないよううまくはぐらかしてくれるようですが)、裁判を起こして回収しようとしてきます。


もちろんすぐに(受任通知いれて1・2ヶ月で)裁判・・・って事は少ないとは思いますが、実際に私の場合、2社が裁判を起こし、4ヶ月にわたって給与を差し押さえられました。
自己破産手続きのための金銭を工面している時期です。
このとき、裁判所から送られてくる書類は「自宅」に必ず届きます。

一応ルールとしては本人しか受け取れない訳ですが、家族であれば受け取れてしまいます。
あなたが不在で「本人しかダメなんです・・・。」と郵便配達員がキチンと持ち帰ったとしても、差出人が裁判所である「不在通知」は家族に渡ってしまいます。

まぁこのとき分かるのは借金していた事実だけなので、正確には債務整理している事実自体まではわかりませんが、感覚的には一緒だと思います。
家族に借金がバレる訳ですからね。
そして。
借りている事実・返していない事実は疑いようのない事実なので、いくら弁護士を頼っていようが(のちの債務整理を円滑に進めるためにも)反論の仕様がありません。
よって、だいたい1~2ヶ月後には結審(支払い命令)され、多くの場合は給与の差し押さえがなされます。

ここまで来る(正確にはそれよりも前だけど)と、今度は第三債務者、すなわち給与を支払っている者にも通知が行きます。
教師であるあなたは地方自治体から給与を受け取っていますので、あなたの場合「自治体の長(多くの場合、県知事)」にも、借金の事実や債務不履行(借金を返せていない)の事実が知れ渡ることになります。

以上より、債権者の中に街金がある場合は、注意しておいた方が(覚悟しておいた方が)よいです。
それでも、振り返ってみれば債務整理して(私の場合、自己破産して)良かったことの方が大きかったので、後悔は一切ありません。
学校関係者にバレても、すぐにクビとはならない可能性の方が高い

原則公務員にはクビはありませんが、心配ですよね。
自治体の判断によるでしょうが、借金をしていた事実やそれにより裁判になったから・・・という理由のみでは辞めさせられません。
そのような理由で解雇(正確には公務員なので免職)されると「不当解雇」に抵触するようです。

なので、学校関係者にバレたからといってすぐに学校を去らなくてはならないという可能性は、低いです。
居づらくなって自ら辞めるだとか、教育委員会もそのように仕向けてくることは大いにありましたけどね。
参考
教職員組合や互助組合からの借入を債務整理しようとしている場合は、必ず学校関係者にバレる
裁判がらみや街金がらみ以外でバレるとしたら、ズバリ「学校関係者からの借金」を整理しようとするときですね。
これは致し方ありません。
隠しようがありませんからね。

このあたりは法律家(弁護士の方が安心)とよく相談した方がいいですね。
債務整理は3種類あるので、どれを適用するべきかの判断材料(提案)にもなるみたいですし。
教師のあなたが債務整理しようか悩んでいるなら(まとめ)
反省すべきところは、しっかり反省しましょう。
私も目一杯反省しましたし、後悔もたくさんしました。
でも、あなたの人生はここで終わりじゃありません。
再起に向けて、一歩踏み出す勇気を持ってください。
では、本日の内容をまとめます。
- 債務整理をした(しようとしている)だけでは、学校関係者や家族にバレることはほとんどない。
- 債務整理や借金の事実がバレるのは以下の通り
・裁判沙汰になったとき
・街金相手に交渉するとき
・組合が債権者であるとき
債務整理した事実が公になることも、家族にバレることも、基本的には(上手くやれば)無いです。

しかし、家族には自分の口から事前に説明しておく方が良いと思います。
最後の最後まであなたの味方でいてくれるのは、結局家族だけですからね。
職を失っても、また新たな職に就くことはできますが、家族を辞めるのは無理です。
(まぁ夫婦関係なら離婚とか、親子関係なら離縁とかもあるけど・・・そういう事じゃないからね)

そして何より。
借金で苦しんで追い込まれているのなら、今すぐに法律家に相談するべきです。
やってみて分かりましたが、債務整理=人生の終わり・・・じゃありません。
むしろ「再スタート」です。
費用の分割払いもそうですが、あなたの状況や守りたいモノなどを総合的に考えて最適な案を提案してくださいますので、まずは気軽に相談するところから始めてほしいと思います。
一人で悩まずに、心強い味方を手に入れて下さい。
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