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高卒求人をお考えの人事の方必見!高校教師経験者がハローワークでは決して教えてくれないこと語る

話合い

本日は実際に高校教師としてその現場にいた経験を基に効率的・効果的な高卒求人についての情報を、高校現場目線からお伝えしたいと思います。

 

なお私が経験していた高校は、関西の学校です。

それ以外のエリアとは、勝手が違うかもしれません。

(統一応募用紙とか趣旨違反とか聞いたことなければ、エリア違いだと思います。)

 

今や売り手市場だということを理解しましょう

2011年の東日本大震災や2008年のリーマンショックなど、数年周期で経済を大きく揺るがす事態が起こりました。

それに伴って、高校の求人もその影響を受けることに。

随分と高卒求人が冷え込みました。

 

しかし東京オリンピック特需の影響なのか、アベノミクスの影響なのか。

はたまた、少子高齢化の影響なのか。

何れにせよ2012年から徐々に求人数は増え始め、今では完全に売り手市場

 

工業高校の高校生なら、一人当たりの求人票が5枚は当たり前の時代です。

 

そのため、他社や時代の流れに乗り遅れないよう

男性普通顔
少々無理してでも、今のうちに人材確保しておきたい。

と考える会社は、非常に増えました。

 

今の日本はどの道府県も少子化が進んでおり、概ねこの先3~5年間で、1~3校分の生徒数が減る道府県も珍しくありません。

数百人単位で、生徒数が減少しています。

 

要は

男性普通顔
退職者が控えているので、将来的には採用したい

と考えているのに、数年後を迎えると

男性驚き顔
生徒自体が少なくて、そもそも試験を受けにきてすらくれない!

こんな自体を迎えることとなります。

  • 少ない人材をみんなで取り合っていく
  • 青田買い

というような今の状況は(この先大きな経済的転換を迎えない限り)、ますます加速していくと思われます。

 

そのため高校の先生と密に連絡を取り、教師から推薦をもらえた生徒であれば、無条件・・・で内定を出すとしている企業さえあります。

そのくらいどこの企業でも、必死に高校生を集めようとしています。

まずは、この状況を知ってください。

 

同じ都道府県内の企業ばかりが、相手ではない

この1・2年で徐々に新規企業(今までお付き合いの無かった他府県の企業)からの高卒求人が、増えているようです。

生徒にとって無縁のような(地方の専門高校に、首都圏サービス業からの求人のような)求人であったため、特段注視すべき動向ではありませんでした。

魅力が少ない県外の企業ってことね。

 

しかしここ数年は、違います。

1つの高校に集まってくる求人票のおよそ2~3割近隣の大都市を抱える他府県からです。

しかも、生徒が希望するような職種や業種の求人票であるといいます。

給料や福利厚生が充実している企業が、自分たちの地域で人が集められなくなったので流れてきたのでしょう。

 

自由に選ぶことが出来てしまう

生徒数は減少、かたや求人は近隣他府県の企業まで参入してきて、増加の一途。

そんな中で、人材を採用、確保していかなくてはなりません。

 

今は、生徒が・・・自由に就職先を選べる時代。

 

この完全なる売り手市場ということを理解した上で

  • 採用に向けて何が出来るか
  • 何が必要になってくるか

を見いだすことが、重要と言えます。

 

高卒求人が23年ぶりの高水準

2016年9月に厚生労働省が発表した情報によると、就職を希望する高校生に対する求人数が1.75倍になったとあります。

バブル期並みに迫っているようですね。

 

さらに、厚生労働省が2017年4月に発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.02ポイント高い1.45倍。

こちらも、バブル期である1990年11月以来、約26年ぶりの水準だということだそうなのです。

 

しかし、実際は

  • 思うように人が集まらない
  • 試験すら受けに来てくれない
  • そもそも長らく大卒採用や中途採用を行って来たからそのノウハウがわからない

など、お困りの事も多いと思われます。

 

高校求人の倍率か高いと言うことは、それだけ他社も意欲的に採用活動を行っている証であり、情報を知っていると知らないとでは、採用計画、突き詰めていけば会社の成長や存続にすら多大な影響が出てきます。

 

具体的に、高卒求人はどうすればよいのか?

前書きが長くなりましたが、実際に高卒求人を行おうとしたときに

  • 効率と効果を求める
  • 優秀な人材を採用したいと考える

のは、至極当然のことです。

 

そこでこの記事後半では、高校の現場で感じた感想などを基に

  • 高卒求人をお考えの企業へアドバイス
  • 特に、人事担当者の方に向けたアドバイス

これらを行っていきたいと思います。

 

5月下旬か6月下旬に教師向けの説明を行いましょう

高卒求人は大卒や中途採用のそれとは違い、必ず高校とハローワークを通じて行います。

しかし、高卒求人を行ってこなかった企業の方は誤解されますが

  • インターネット求人に公開したから良し
  • ハローワークに届け出たから良し

ということは、一切ありません。

 

高卒求人をやってこなかった場合なんか特に、ハローワークが勝手に高校へアプローチをかけてくれているものだと考えている企業も多いですよ。

 

人材集めは、自社でやります。

誰も助けてくれないです。

 

そして記事冒頭を思い出してください。

今や、完全なる売り手市場。

わざわざ高校の現場がアンテナを張り巡らさなくても、情報(求人票)はやってくる時代なんです。

 

びっくりしたのは、過去に「求人票取りに来てくれませんか?」と言われたことですね。できませんと断りましたが、そんな会社には送りたいと思わないです。

 

なので、はじめに生徒に進路指導を行う教師に向けて・・・・・・、企業アピールを行う事が重要だと言えます。

高校の先生がその企業を知っていれば、生徒に対する進路指導を行う際に優位にはたらく事は言うまでもありません。

 

採用予定や経営方針の決定時期によっては難しいかもしれませんが、実施時期については5月下旬か6月下旬が良いと思われます。

できれば、平日が望ましいでしょう。

 

理由はこれらの時期は、テスト期間中であることが多いから。

作問や採点等、テストに関わる業務があるため決して暇ではないのですが、それでも普段と違い授業がありません。

 

また、部活動も休みになっていることが多いので物理的に、身体が空いていることが多いです。

※代わりに会議を山ほど入れられますが・・・。

 

各高校に伺うでも、自社でまとめて行うでもよいが

企業の説明や、採用予定を伝える場は

  • 求人を出す予定の高校へ、直接・・伺うでも
  • どこかの会議室やホール、又は自社に呼んで行うでも

その企業に対して抱くイメージや印象に、そう違いはありません。

 

ただし、学校外・・・で実施されるような説明会の場合。

出張の段取りを組まなくてはならないので、授業の変更や今後の予定を調整する手間が増えます。

そのため、会社に招いて行われる企業説明会や合同説明会みたいなやつは、正直敬遠されがちなのは、事実です。

 

意外かもしれませんが、授業の振り替えはかなり煩雑です。

 

出張に伴って、授業を振り替える必要がある場合。

  • 指導計画の変更等
  • 他の教員への負担や迷惑

等の理由により、「積極的に出張をしたい!」と考える教師はいません。

 

むしろみな、授業変更した事によるしわ寄せを嫌います。

 

たくさんの高卒求人が送られてくる、今の高校現場を想像してください。

なじみが無いところだと余計に、参加の必要性を感じらません

よってあなたの仕事の状況にもよりますが、可能であるならば直接高校に出向いた方が無難と言えます。

 

また、来られても進路指導を行っている部署の部長、副部長、その他それなりに進路指導力がある教師が授業中であれば、当然それ以外の教師で対応する事になります。

平たく言えば、影響力の低い人が話を聞くってことね。

そうなってしまうと、あなたがせっかく来てくれたのに、あなたが思っているような効果はほとんど期待できません。

 

直接話を聞く方が印象に強く残るし、生徒へのアドバイスにも活かせます。

せっかく企業のアピールを行うのであれば、聞く側の教師の都合を最優先する。

ここから、他社との違いが出てくると思ってください。

 

高校の教師が知りたいと思うこと

企業の中には

男性普通顔
是非とも(人が欲しいから)来てください。

とか

男性普通顔
ウチはこんなにも魅力がある会社です。

という、ガンガン攻めてくる企業の採用担当社の方もいます。

 

まさに、ガンガンいこうぜ! の状態。

 

しかしその多くは、お願いばかりです。

企業の熱量と反して、教師からすれば「是非とも生徒にオススメしたいと思えるほどの企業」だという印象は、残りません。

 

営業と似ているかも知れませんね。

押せば良いというものでは、ありません。

高校の教師が知りたいと思う情報は、概ね以下の通りです。

 

企業全体で3名の採用なのか、学校から1名の採用は確保なのか

高卒求人は大卒らのそれと違い、1人1社しか受けられません

よって教師も生徒も、失敗を極力嫌います

 

優秀な人材を集める事も重要な課題であることは当然理解できますので、門扉を広くしておきたいという気持ちもわかります。

しかし学校側からすると、その企業を受けても受かりそうに無ければ、積極的に勧めるということはしにくくなります。

 

逆に「必ず1名は欲しい」と言われると、求人過多の今の時代では難しいですという答えしかでません。

一番魅力を感じるのは

本校の生徒を、優先的に採用選考してくれるのでは?

と思うこと。

 

このことが教師に伝われば、その教師が生徒に伝える際かなり好意的に伝えることができます。

 

具体的に言えば

  • 採用担当や会社役員が、本校出身又はゆかりのある人
  • 全体で3名の採用を考えていて、求人票を配っている学校数が3校であるということ

などです。

 

教師が”この企業は堅い”という印象を持つと生徒にも勧めやすくなります。

そういった意味でも、長年採用いただいている企業なんかは、やはり生徒に勧めやすくなるというものです。

 

コミュニケーション能力を求める以外に、どんな能力を持った生徒を希望するのか

求める人材の資質として第一に挙げられることは、コミュニケーション能力です。

これは高卒だろうと、大卒だろうと、中途採用だろうと、変わりなく求められることですね。

やはり人事担当の方に、「どのような生徒を希望していますか?」と伺うと「コミュニケーション能力です」と第一に挙げられます。

 

しかし、(18歳の高校生に)コミュニケーション能力が長けている人物は、そうそういません。

ましてや昨今の高校生は、特に目上の方に対して率先的にコミュニケーションをはかることを不得手としている人が非常に多いです。

よって、コミュニケーション以外にどんな能力が欲しいか伝えてみましょう。

 

男性普通顔
コミュニケーション能力はもちろんなのですが、〇〇に長けている人物だとうれしいですね

って感じ。

 

〇〇に入るのは、例えばリーダシップを発揮できるなど、その絶対数が少ないであろう事柄よりも

  • 3年間の欠席数が、12日以下の生徒
  • 3年生になるにつれて、成績が向上しているような生徒

のように学校生活に絡んだ、該当する生徒がそれなりにいるであろう、具体的な内容だと良いと言えます。

 

教師が悩むのは、成績上位よりも中位辺りにいる生徒の進路

生徒がどこの会社を受けるか、を決めるのは成績上位(学習面及び生活面の両面で上位という意味)の生徒から順番におこなっていきます。

そうしないと、成績下位の生徒にとって不利にはたらくことがあるからです。

 

ある生徒が「受けたい!」と思った会社があったとして、後から成績上位の生徒が「受けたい!」と手を挙げた場合、学校にもよるでしょうが、ほとんどの学校で後から来た成績上位の生徒にその会社を受けさせます。

 

ようは、早い者勝ちではないということです。

(2次採用からは、早い者勝ちになるのですが・・・。)

ポイントは成績上位の生徒から順番に決めていく、と言うところです。

 

現場で悩んだのが、トップの生徒でもボトムの生徒でもありません。

1クラス内の上から数えて8番目~18番目に来るような生徒の進路先、これに苦労します

 

「出来るだけ早く決定していかなくては、下の生徒達に対する指導が出来ない。」

という事に加え中位にいる生徒達は「自分で自分の進路先を見いだしていく。」ということを苦手とするので、教師の手がそれなりにかかります。

 

言い換えれば、中盤にいる生徒達は、生徒へ教師のアドバイスが行き届きやすく、成績上位の生徒と比べて教師のアドバイスが活きやすいということです。

 

このあたりにいる生徒は

  • 欠席はそんなに多くない
  • 1、2年生の頃よりは成績を上げているがトップを狙うほど伸びてもいない
  • または、現状を維持している
  • 基本的な能力になんら問題は無い

とった生徒が多いです。

是非ここあたりの生徒を、推薦してもらえるようなアピールをしていきましょう。

 

まとめ

思うように高卒求人がはかどらない場合は

  • 高卒求人は1人1社のため、手堅ければ手堅いほど受験しようと思える。
  • クラス内の成績が、中の下~中の上の生徒にターゲットを絞る

このようなところを意識して、まずは生徒に直接はたらきかける教師に対して、企業のアピールをしてみましょう。

 

話すことが不得意ならば、教師向けに書いてはいますが、こちらが参考になると思いますよ。

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