先日、関西ローカルのニュース番組で「奈良県職員、自殺」のニュースが取り上げられていました。
本日は、そのニュースを受けて思うことを、つらつらと話したいと思います。
キーワードは幸せ、長時間勤務、タイムカード。
そして「ガン細胞」です。
目次
県職員自殺の報道内容について
2017年5月に、奈良県職員で当時35歳の男性主査が自宅で自殺し、その背景には
- 「長時間勤務」
- 「サービス残業」
などがあるとされ、県庁のその後の対応や長時間勤務の問題点などについて、亡くなった約半年後である11月に、関西ローカルのニュース番組で取り上げられました。
奈良県職員の自殺
決算審査特別委員会での質問と答弁 pic.twitter.com/lOaCHkwnR0— 阪口保(奈良県議会議員) (@sakagutit) 2017年11月17日
奈良県職員の自殺と超過勤務について、関西テレビ報道が報道 pic.twitter.com/eAvPuF4RXj
— 阪口保(奈良県議会議員) (@sakagutit) 2017年11月17日
ツイッターから拾ってきた上記動画は、亡くなった彼のこと、長時間勤務などについて、直接県知事に質問された、県議会議員の方がアップしたものです。
仕事に追い詰められて、死にたいと思うこと
亡くなった方が
- 県職員(公務員)
- 30代
という境遇に共感できる部分があって、色々と考えさせられます。
私のブログでも、たびたび記事にしてきました。
- 教師の勤務時間問題。長時間勤務は必然?残業で成り立っている現状
- 教師の私が定時に帰れるように努力したポイント
- 教師を辞めたいと考えているあなたに
- 【教師のタイプ別】転職サポート会社を徹底比較!あなたにあったおススメ紹介。
私なりに、「辞めたい」と思っている人に向けて、アドバイスをしてきたつもりです。
でも、考えが甘かった。
私は、仕事に追い詰められて死にたい、と思ったことがなかったからです。
死にたい、と思っている人に届けたいメッセージ
「仕事に追い詰められて」という理由で、死にたいと思ったことがない私ですが、そんな私でも、人生の中で「死にたい」と思ったことが、1度だけあります。
社会人になってからです。
本気で、そう思います。
ひょっとすると、この記事を読んでくれているあなたも、これまでに「死にたい」って思ったこと、あるかもしれませんね。
でも、私は生きています。
現状、目に見えて生活が向上している訳じゃいないし、改善もしていない。
それでも「死にたい」と思っていた頃より、確実に「安定」しているし、いくらかの「幸せ」も感じられるようになった。
幸せの定義なんて、千差万別。
幸せは、この世で数少ない「自分による評価」で、その「価値」が決まるもの
ほんとそう思う。
自分による評価ができるのは、生きていればこそ。
死ぬことによって得られる幸せは、存在しない。
このことだけは、今、はっきりとわかる。
残された家族がどうとか、周りを不幸にするとか、何より自分が逃げ出したいとか、とりあえず関係ない。
人はみな、幸せを願って、幸せになるために生まれてきた。このことに、間違いはないハズ。
生きていればこその、幸せ。
もし今あなたが、「死にたい」と思っているなら、この言葉だけでも届いてほしい。
長時間勤務とタイムカード
民間の多くがそうであるように、職員(従業員)の勤務時間管理は、タイムカードで行っています。
しかし、教師は違う。
などで話していますが
はっきり言って
教師の勤務時間は、管理されていないに等しい
です。
そんな中、教師の現場にも、タイムカードを導入しようとする動きがあります。
もちろん、労働環境改善の一つとして、何もしないよりはマシですよね。
でも、タイムカードを導入したところで、この先も教師の勤務状況がなーんも変わらないことは、冒頭の県職員の自殺、及びそれに関わる知事の発言から、簡単に想像できます。
お亡くなりになった方のタイムカードによると、月の残業時間は、100時間近く。
しかし、実際に残業として認められたのは、わずか40時間にも満たない。
質疑応答で、県知事自ら
上からの指示なしで残っていたのは、残業とは言えない(可能性があるため、精査が必要)
と、話していることから
教師の業務に照らして考えれば、教材研究や授業準備等については、残業として認められない可能性が非常に高い。
誰かがやらないといけない仕事は、自主的な仕事?
残業代に充てられる予算に、限りがある以上、ましてや、その出所が
労働者(教師)が得た売上から出されるのではなく、「税金」が使われる
ということからも適正かつ正確に、残業を見極めなくてはならないってのは、もちろん理解しますし、納得できます。
でも、県職員だった彼の、98時間分の残業仕事も
誰かがやらなきゃいけない仕事=県庁の仕事
です。
やらなくてもいい仕事を、わざわざ好んで、やっていたワケじゃ無いでしょう。
それにも関わらず、一人の(しかも同年代の)尊い命を失った後にもかかわらず
上からの指示なしで残っていたのは、残業とは言えない。
こんな発言が、できてしまう役所の体質や風土。(特に、上に立つ人たち)
こんなコトを知ってしまうと
タイムカードを導入したところで、現場の実態把握なんて、一切出来るはずがない
と思ってしまうのは、私だけでしょうか?
多額の税金を使い、タイムカードを導入してまで、得たいモノはなんなのか?
今後、教育現場にもタイムカードが導入されたとすれば、長時間勤務を許すような管理職には、当然何かしらのペナルティが発生するでしょう。
しかし、これを避けるために
私たちの上司にあたる「管理職」が、タイムカードの工作をする(または、命じる。)
可能性としては、十分考えられます。
最悪の場合
私は「帰りなさい」と伝えたから、残業とは認められ無い。
と言い逃れをする可能性すら、あるかもしれません。
タイムカードは「きちんと”働き方改革”、”ワークライフバランス”を考えていますよ」と
- 形骸的にアピールするための材料に使われるだけ
- 数字あわせの小道具に過ぎない
可能性が、捨てきれない・・・。
莫大な、税金を投入してまで、タイムカードを導入し、上は何を得たいのか・・・
この「不安の先取り」が、杞憂で終われば良いのですが・・・。
どうも、荒井県知事の発言や、報道に出て来た人たちの証言などを聞いていると、杞憂で終わらないように思えて、仕方がないです。
奈良県に限らず、全国でも同じ?
しかも、この話は、奈良に限らないと思う。
別日(2016年2月)に行われた議会、そのときの荒井知事の発言によれば
奈良県は、働きかた改革について、積極的に議論を行っている県
らしいです。
最前線を走っている(らしい)トップ(の県)が、こんな考え。
ということは、どこの都道府県でも同じ。または、それ以下の認識だと思います。
県は先程答弁いたしましたようにブラック企業ではありません。
県民の皆様が誤解されないように私はほんとうにお願いしたいと思います。
県と職員組合がこんなに働き型改革をやっている県はないんです。それを理解していただきたいと思っております。
引用 県庁はブラック企業?ー日本共産党奈良県会議員団
帰りましょう、と呼びかけて帰るなら、とっくに帰ってる。
最近では「ノー残業day」や「上司が積極的に帰って、模範となること」というのが、あります。
変わったところでは
- パソコンンを強制シャットダウンする
- チャイム替わりに「ロッキーのテーマ」を流す
こんな取り組みをしているところもあるんだとか。ユニークですよね。
「長時間勤務を無くすための取り組み」自体は、評価したいし、推奨に反対しません。
しかし大事なことは(特に、上司が)、定時に帰れるようにするため「社員・職員「全員」の「仕事量の最適化」を行わなければ!」ってところまできちんと考えられているかどうかだと思います。
じゃないと、「仕事を後回し」しているだけだから、「しわ寄せ」が来るため、帰れない。
むしろ、しわ寄せが来ることによって、いつもの残業より、ひどくなる日もあるかもね。
プレミアムフライデーが今一つ定着していない背景には、これが影響しているんじゃないかな?
帰れ、と言われて帰れるなら、とっくに帰ってるわ!!
プレミアムフライデー浸透せず 開始4カ月、認知率9割でも 「仕事減らなきゃ意味ない」ー毎日新聞
プレミアムフライデーが教師の現場にやってくるのは、永遠にないでしょう。
しかし、定時に帰れるようにするため、社員・職員「全員」の「仕事量の最適化」を行うこと。
このことだけでも、上司である「管理職、教育委員会、知事」には考えてもらいたい。
残業を減らすことができない「上司」に届けたい、言葉と作品
最後に、ここまで読んでくださったあなたに、伝えたい言葉と作品があります。
「私じゃなくて、上司に言ってくれないかな?」と言われそうですので「上司に届けたい」言葉と作品としています。
上司に届けたい、言葉
「自分が苦労したからお前も苦労しろ」が無くなれば、色んなことが上手く回りだすとは思うワンよね。
— gon (@oyasumigongon) 2017年11月16日
まさに、これ。
上司に届けたい、作品
- 主演が阿部サダヲだし(大好き)
- パッケージ見ると「お笑い」「おもしろそう」要素強いし
- 「超高速!参勤交代」のキャストと近い部分もある
だから、「笑う準備」をして、見はじめましたが
完全に、裏切られた。
マジで、感動する。
しかも、実話らしいから「驚き」
プライム会員なら、Amazonプライムビデオで無料で見られるので、見ていない人はぜひ見てほしい。
街を愛する思い、町民を愛する思い、ってのは、公務員や教師が本来持つべき感情。
そのために、自分に何ができるか?仲間と何をすべきか?
体制を変え、想いを「お上」に届けるまでに、一体いくらの「命」と「お金」が必要なのか?
たくさんの犠牲が払われないと、意識を変えることができない上司にこそ、見てほしい作品です。
最後に
お亡くなりになった、奈良県職員の方は、私と同じ30代。
これからの人生の方が、長い。
周囲の人たちには、「愚痴」とも「弱音」とも「SOS」とも取れるような、言葉を漏らしていたようです。
人生まだまだ長いから、その長さが「絶望」に変わって、「諦める」しかなかったのかな…。
電通事件にしろ、今回にしろ仕事に殺されるって、一体なんなんでしょうね。
「仕事とは?」という問いに対して
- 生きがい
- やりがい
- 自己成長
- 社会貢献
が「模範解答」とされている、就職試験を経て入社し
サービス残業、長時間勤務などによって「NGな答え」とされている
生活の手段のため
に、自分の考えが変わっていく。
残業、長時間勤務っていうのは、「ガン細胞」と同じなんでしょうかね?
根本的治療と、早期発見が、必要なのかもしれません。
教師の勤務時間問題。長時間勤務は必然?残業で成り立っている現状