今回、教師のあなたにオススメしたいスマホゲームは「マイ・チャイルド・レーベンスボルン(My Child Lebensborn)」です。
マイ・チャイルド・レーベンスボルンは、2018年5月にリリースされ、9月に日本語ver.がリリース。
SNSなどでは、随分と話題になっていたようです。
この「マイ・チャイルド・レーベンスボルン 」は、色々と考えさせられるゲームでした。
そして
- 様々な家庭環境の生徒を預かる教師だからこそ
- 幅広い見聞を持つべき教師だからこそ
この「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」は、教師のあなたにもプレイしてもらいたいという気持ちがあります。
きっと人権教育の自己研鑽用教材として、非常に役立つと思います。(※個人の感想です)
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目次
マイ・チャイルド・レーベンスボルンとは?
スマホゲーム「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」をご存知ない方も多いかもしれませんので、簡単に説明します。
マイ・チャイルド・レーベンスボルンは、養子に出された子どもを育てていくゲーム
舞台は、第二次世界大戦後のノルウェー。
今でこそノルウェーは教育先進国の一つとして、教育現場(一部の専門家だけ?)では、たびたびノルウェーの教育施策なんかが紹介されたり、引き合いに出されたりしますよね?
しかし終戦直後のノルウェーは(今からは想像もできないのですが)、社会全体として迫害を行ってきたという事実があります。
マイ・チャイルド・レーベンスボルンは、そんな迫害を受ける子ども(ゲーム内で男女のどちらかを選択)を、養子として育てていくゲームです。
レーベンスボルンとは、第二次世界大戦が生んだもう一つの闇
このゲームは第二次世界大戦後のノルウェーで、養子を育てていくゲームです。
その養子はナチスが作った施設「レーベンスボルン」の出身という、第二次世界大戦の負の遺産を背負っている子ども。

第二次世界大戦に勝利した側のノルウェーが、終戦後、敵国であったドイツ人との間に生まれたレーベンスボルンの子ども達に(もちろん母親であるノルウェー人も)、差別や迫害を行ってきました。
その差別や迫害は、戦争が終わってもなお敵国に向けられた敵意そのもの。
レーベンスボルンは、第二次世界大戦が生んだもう一つの闇って感じでしょうか。
選択を迫られるたびに、ひどく考えさせられ、心が揺さぶられる
子どもを育ていくゲームな訳ですが、子どもの面倒を見ながら(食事やお風呂など)、子どもからの問いかけに(用意された選択肢の中から)答える。
どの選択肢も考えさせられるものばかりで、どれが正解(またはどれが不正解)なのかわからないんです。言葉を足したいというか。
子どもの反応は数値化されておらず、日々の言動から推察するしかありません。
あなたは養っていくために働きに出るわけですが、その間は子どもの面倒が見れないというジレンマも生まれます。
残業すると幸福度が落ちるとか、迫害の影響でリストラされていたりとか。
あなたのかけた言葉で、子どもの性格や行動が変わり、表情や幸福度も変わってきます。
子育てをしながら働きに出かけ、資産を築き、やりくりしていかなくてはいけない。
選択を迫られるたびに考えさせられ、心が揺さぶられるゲーム。
それが、マイ・チャイルド・レーベンスボルンです。
教師にスマホゲーム「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」を勧める理由
ゲーム内容や背景をまとめます。
- 舞台は第二次世界大戦直後のノルウェー
- 社会的な差別や迫害が蔓延し、いじめは日常茶飯事
- 常に「自分ならどうするか」「どんな言葉をかけてもらいたいか」を考える
- 子どものケアと自分たちの生活、どのようにバランスを取っていけば良いか
そんなゲームです。

参考
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では、なぜ教師のあなたにこの「マイ・チャイルド・レーベンスボルン 」を勧めるのか?
いじめ・暴力などを受けている子どもに、教師としてどのような言葉をかけてあげるか参考になる
ゲーム内の子どもは、日々いじめや暴力に見舞われながら、悩み葛藤して生きています。
もちろん親目線で(もしくは親になった気持ちで)その子どもと接するわけですが
- こういう声かけの表現があるのか
- こういうトラブルに遭うこともあるのか(対策)
など、学校教育に活かせるようなヒントがあると思っています。
もちろん教師と生徒の関係は、親と子どもの関係までいくと行き過ぎだと考えます。
参考
ゲームの中では、教師でさえ子どもの味方じゃありません。
誰も味方がいないような子どもに対して、どのような声かけがあると子どもが喜ぶのか。
これについて考える機会がいっぱいありました。
いじめによる自殺や問題が、後を絶たない今の日本の教育現場。
些細なきっかけやシグナルは、いっぱいあったはずです。
そんな時に無知(無感知)によって見逃すようなことがあっては、残念です。
このゲームを通して


という、一種のロールプレイングのような体験ができますから、非常に有益だと感じます。
発言・表情・行動の結果から、相手の心理や出来事の真理を探ろうとする力が鍛えられる
人種差別や地域差別など、学校では多くの人権問題(人権学習)を扱います。
しかしそのどれもが、ありきたりのような(教材製作者または準備者の)「用意された答え」を前提に作られていると思います。
しかしマイ・チャイルド・レーベンスボルンは違うと感じています。
このゲームは解決策を考えるゲームであり、唯一解を探すゲームではありません。
ゲーム自体それなりのボリュームがあるので(しかもヘビーな内容かつ有料)、このゲームを使ってクラスで展開するってのは非常に難しいと思いますが、教師であるあなただけの自己研鑽や見聞を広げるための教材としては利用できると思います。
ゲーム内の子どもが見せる
- 発言
- 表情
- 行動
などから、相手(子ども)の真理や、問題の本質を見抜こうとする力が鍛えられると感じました。
第二次世界大戦にまつわる、深い学びになる
ゲームの舞台背景には、第二次世界大戦があります。
学校でも近代史としてこの戦争の歴史や史実は学びますが、世界で何がおこっていたのかを深く勉強する機会は少ないでしょう。
どうしても、日本の教育は日本に関するものばかりです。
でも世界に目を向けてみると、また違った視点や切り口で第二次世界大戦や戦争が引き起こす悲劇さを学ぶことができます。
ドラマや漫画の世界でありそうな「ある目的を持って生まれた子どもたち」っていう場所が本当にあったことも、私は恥ずかしながらこのゲームで知りました。
戦争によってもたらされた悲劇や苦しみなどが、より深く・広く学べると思います。
マイ・チャイルド・レーベンスボルン は、教師がプレイしても勉強になるゲーム
ゲームの性質上、親として
- いじめや差別に立ち向かう子どもと、どう生きていくのか
- 豊かな暮らしを得るには、どうすれば良いのか
- 子どもをどのように守り、子どもにどこまでしてあげるのが正しいことなのか
これらを考えることが多いゲームですが、その疑似体験を通して
このことを考えさせてくれる、素晴らしい教材(ゲーム)でした。
ゲームをしてスカッとすることはほとんどないし、忙しい合間をぬって(心休まる時間にしたいはずの時間に)このゲームをするには、少々疲れてしまうかもしれません。
マイ・チャイルド・レーベンスボルン は有料スマホゲームです。(360円または330円)


そう思ってしまうのも無理はありませんが、きっとその金額や時間に見合うだけの思考力や想像力、知識そのものは得られると思います。

と、探している教師のかた!
ぜひ一度、マイ・チャイルド・レーベンスボルンをプレイしてみてください。
きっと、あなたにとって素晴らしい人権教材になるはずです。
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