「実は教えてほしかった、お金のこと。」
生徒はそう思っているかもしれません。
あるアンケート結果によると、お金について75%以上の人が学校でちゃんと勉強したかったと答えています。
なのに
- お金の話を大々的に話をするのは、恥ずかしい。
- 汗水かいて働いて得たお金は、価値が高い。
- だから、とりあえず黙って働け。
こんな日本人(特有)の考え方も、影響しているのでしょうか。
授業や教育現場でお金の話をするのは御法度なんじゃないか?と錯覚するほど、教育現場ではお金の話が出てきません。
参考
日本人はこと「お金」に関して、ネガティブなイメージを持っているようです。
私は金融学者でもアナリストでもないので偉そうなことはいえませんが、私自身教師をしていたという「いち現場経験者」として、こうなってしまった要因を考えてみると
- 教師は、お金に関する知識(または興味)がなさ過ぎる
- 教師になるには、お金の知識がなくても大丈夫
これらが問題点としてあると思います。
お金(の話)について、私たち教師は
- 興味はあるけど、話してはダメだ。
- きちんと教えてあげられるだけの、知識が自分に無い。
- 生徒が大人になれば、自然と身につくハズだ。
そんな「性問題」みたいに扱ってきたところがあるように感じています。
しかしそれでは、いつまでたっても正しいお金の知識は学べません。
ましてや生徒にとっては、大人になったときに困るだけ。
そのためもまず、教師が「お金」についてしっかりと学ぶべきだと感じています。
ということで本日は
誰も教えてくれないが、教師が知っておくべき「お金の知識」
これについて、話を進めていこうと思います。
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目次
生徒はお金の授業を聞きたがっている
ちょいと古いデータですが、まずはアンケート結果をご覧ください。
金融広報中央委員会が平成20年に実施した「金融に関する消費者アンケート調査」によると
- 7割以上の人が学校でお金について学んだことがない。
- 「基本的な内容や老後のこと、具体的な金融商品についての勉強をしたかった。」と思っている人が多い。
こんな状況があるようです。
詳しいアンケート結果はこちら
驚くことに、第1回(7年前の平成13年)のアンケート結果と比べても、各項目のパーセンテージはほとんど変わっていませんでした。
平成13年の内容はコチラ。
平成20年の内容とほぼパーセンテージが変わっていないことがわかります。
このことから、生徒はずーっと
(少なくとも高校までに)お金について基礎的なところから教えてほしい。
と感じていて、反対に学校としては
(諸般の理由により)教えることができない。
ということが言えそうです。
なので、一概に「教師の力量が無かった」とは決めつけられません。
少なくとも、アンケート結果からわかるように
生徒は、お金の話を聞きたい(もしくは聞きたかった)と感じている現状。
これだけは覚えておいた方が良さそうです。
自分の意思で「経済」を勉強しないと、お金の勉強ができない
私もそうでしたが、多くの先生方は「教育学部」を卒業します。
中には
- 理学部
- 文学部
- 体育学部
等、教科に直結した学部を卒業され(必要な教職課程も修了して)、教師になった人も相当数いらっしゃるでしょう。
いずれにしても「経済学部」を卒業して教師になられた方は限られていると思います。
参考
教員免許を持つ芸能人がいなくなる?!今更聞けない、教員免許の仕組み
教育学部でも経済学を学ばせている大学はあるかもしれませんが、ほとんどの場合
自らの意思で「経済を学ぼう」としない限り、お金についての知識を得ることはできない。
これが今の日本の教育、ひいては教師の実情だと思います。
これがいいか悪いかはおいといて、ポイントは
お金の知識は、自らの意思で学ばないと得られない
いうこと。
参考
お金の知識は(教科を越えて)全ての人に必要不可欠な内容なのに、教えられる素地ができている(可能性が高い)先生は、ほぼ「社会科」の先生のみだということ。
教職課程や専門の勉強に追われてしまって。
自分が知らないことや理解していないことを誰かに教えるは不可能です。
ましてや生徒に伝えるなんてことはできません。
教師の業務量はすでにキャパオーバーなので、お金の勉強やお金の授業までこなそうとすれば、いずれかの(現状の)仕事を犠牲にしなくてはならないと思います。
ゲームで勉強する、ってのもいいと思います。
参考
【教師にオススメのゲーム】保健やお金など、生徒に聞かれて困る前にゲームで楽しく学ぼう
教師となった(大人となった)今では
お金の知識を得るためには、無理をしてでも自分でその学習時間を確保する
これ以外、方法がありません。
参考
お金の勉強をしている時間も余裕も無い!
そんなあなたのために、この記事を作っているつもりです。
お金の勉強とあわせて、資格取得も狙えば一石二鳥
「運転免許と教員免許だけ?」でも話していますが、教師は「らしい」資格を持っていない場合がほとんどです。
- 資格取得のために勉強したことが、生徒のためにも活かされる。
- 試験に合格すれば、資格取得・スキルアップにもつながる。
1度の勉強で2度のうまみが得られる「資格取得」というのは、忙しい先生にとって非常に効果的であるように感じます。
忙しいからこそ、資格なんて取ってられるかよ。
って? いやいや、講師時代を思い出してみてくださいよ。
あの頃は教諭と(ほぼ)同じ仕事量をこなしながら、難関である教員採用試験の勉強をしてたじゃないですか。
参考
今年も常勤講師を続けようか、悩んでいる先生へ。メリット・デメリットをまとめました。
オススメなのが、最近人気の(お金の知識が得られる)
ファイナンシャルプランナー(通称FP)
という資格。取得して損はありません。
参考
ほかにも心理学や食育など、資格取得に向けた勉強が生徒のためにもつながるという資格は、意外とあります。
詳しくはこちらにまとめたので、ご覧ください。
参考
先生もお金の知識を学ぼう!!
というわけで、今からでも遅くありませんから、先生もしっかりとお金の知識を身につけましょう。
お金の歴史、お金のカタチ
「BRUTUS(ブルータス) 2018年6/1号No.870」の記事を参考に、いったんお金の概論について簡単に話そうと思います。
お金の歴史は古く、紀元前1200年頃には「タカラガイ」という貝がお金代わりに使われていたそうです。
その後の技術発達・技術革新により、硬貨や紙幣が登場。
21世紀の今ではデジタル資産として
お金は「カタチのない存在」にまで変化した
といえます。
「通貨」として利用できる(普及する)かどうかまでは、わからないようですが。
これからの時代、ますますキャッシュレス化が進んでいくことは必至のようです。
しかし、依然として日本人は
現金こそ、お金。
という意識が高い。
「紙幣」に対する依存度が高すぎる、といっても過言じゃない日本人。
その証拠に、日本銀行調査統計局が発表している「資金循環の日米欧比較」(2017年8月18日付)をみると
家計の金融資産構成のうち、実に「51.5%」を「現金や預金」で保有している
ってことが、わかっています。
ちなみに
- アメリカでは13.4%
- ユーロエリアでは33.2%
となっていました。
既述の「お金の歴史」を見れば何となくわかるかもしれませんが、今の時代、お金のカタチは大きく分けて4つあります。
- モノ
- 現金
- 紙資産
- デジタル資産
この4つです。
お金のカタチは4つもあるのに、私たちの多くは「現金」と「モノ」でしかお金を知らない。
ひょっとすると、1,000年以上も前に誕生した硬貨や紙幣(=現金)にしかお金の価値がない、と思っている人も多いかもしれません。
- バブル崩壊や不正のニュースなど、紙資産・デジタル資産等「投資」に対するネガティブなイメージ。
- 「悪銭身につかず」を誤解して、汗水たらして稼いだお金(現金)にこそ、価値があると考える。
- 夢のマイホーム、念願のマイホーム。新築信者で、シビれる住宅ローン返済。
- 地震大国日本、長寿国ニッポン。だからとりあえず保険には入っとけ。
思いつくまま書きましたが、これって一般的な日本人がもつ考えじゃないですか?
産業革命により、家畜から蒸気、蒸気から石油・電気にとって代わってきました。
次第にロボット、今ではインターネットとAIの時代になっています。
過去に固執してばかりでは、取り残されていくのは自然の流れ。
多様化する時代に適応せず、自ら学ぼうともせずに、過去を盲目的に信じているだけではダメなのです。
とまぁ、説教じみたことを言いたいわけじゃないので、ここらで本旨に戻って「お金の授業」に話を戻しましょう。
お金の授業に役立ちそうな教材
- よりお金の仕組みや概論を知りたいと思ったとき
- 実際に「授業でお金の話」を展開したいと思ったとき
そんなときは、全銀協(全国銀行協会)が提供している教材が役に立つかもしれません。
もちろん無料です。
参考
授業もそうですが、誰かに教えるとより自分の理解が深まるので、一度手探りでもいいので思い切って授業してみるってのもアリかもしれませんね。
お金の知識を学ぶということは、楽して儲けるということではない
ここからはより具体的な内容(資産運用)に迫っていきます。
ところで、本記事のねらいは
- あなた自身の生活(資産)を豊かにするため
- 生徒に授業で話せるレベルにまでもっていく
このあたりを意識していますので、やがては生徒に対して授業等で話す機会があると想定しています。
教師の私たちが生徒に対して「お金の話」をしようとしたとき、ほぼ高確率で
どうしたらお金持ちになれますか?
どうやったら楽に稼げますか?
こういった趣旨の質問を受けるでしょう。
ひょっとすると、あなたも思っていましたか?
具体的にお金の話をする前に大事なことなので、最初に断言しておきます。
お金の知識を得るのは、決して楽して儲けるためでは無いということ。
これをきちんと理解することは重要です。
恥ずかしい話ですが、私自身、過去に「お金に関する正しい知識」を持たずに、目先の利益や強欲さに負けて、FXで数百万円を溶かした経験があります。
残ったのは「借金地獄」という現実だけでした。
参考
幸い、お金は時間をかけて知識を得れば(勉強すれば)それなりのリターンが見込めるし、やり直しもききます。
今の世の中、お金を稼ぐ方法はいくつもありますからね。
だからこそ、時間の方が大事だと感じますけど。
おおっと、脱線しました。悪い癖です。
ともかく、まずは
楽して儲けるためではなく、人生を豊かにするために
お金の正しい知識を身につける必要があるんだ!これをしっかりと理解しましょう。
金融の相場なんて、誰もわからない
お金の勉強をして、得することはあっても損することはありません。
だから勉強しようと言っています。
しかし、どれだけ勉強しようがすぐに「大儲けができる」なんてことは、絶対にありません。
金融業界で働くプロの方たちは、それはそれは必死になって経済指標を注視し、情報収集のために日夜動き回ります。
場合によっては、チャート分析(パターンから今後を予想するテクニック)やファンダメンタルズ分析(財務や経済状況から今後を予想するテクニック)を駆使し、生きるためにお金と(パソコンと)向き合っています。
そんな人たちですら
明日の相場、1年後の相場、5年後の相場をズバッと言い当てられません。
その道のプロですらわからないことを
- まったくの素人
- それなりの本を適当に流し読みしただけの私たち
が、予測できるハズがないのです。
だからこそ、お金の知識を得たからといって楽に儲けられるなんてことは絶対にありえない。
金融の相場が手に取るようにわかる、なんてことはあり得えないことなんだ。
お金について勉強をはじめると、このことに気がつきます。
実践編!5つのポイント。
案ずるより産むがやすし。
入試問題などもそうですが、何事も基本を一通り押さえたら、あとは実践してこそ身についていきます。
実践って、いきなり株を買えとかってこと?
そんなんわからないし、できるはずないよ・・・
えぇ。そうでしょうね。ですからいきなり株を買うとかではなく、何をすべきか説明しますね。
未体験のことだから億劫になってしまう。
失敗は出来るだけ少なくしたい
そう思っているあなたに、
5つのポイントに絞って
話を進めていきます。
古いですが(リーマンショック前)、初心者にとってはわかりやすく書かれています。
必ず余剰資金で行うこと
私の反省や後悔も込めて、一番大事なことを最初に伝えます。
必ず「余剰資金」で行いましょう。
ただ漠然と
貯金しておこうかなぁ・・・
と思って貯めてきた貯金でもいいですし、毎月の生活費を見直して浮いてきたお金でも良いです。
参考
楽天モバイルの料金について。乗り換えて大満足!使用感もレビュー
投資はバクチではない。年間で5%増えれば上出来と考える
投資をしたこと無い人からすると、ついつい
この100万円で買った株が、1年後には200万に…。
なんて夢見ちゃいます。
貯金でおいていた数十万円を仮想通貨に変え、2017年の(わずか1年の)高騰により、資産価値が1億円を超える人が続出したため「億り人」なんていう言葉も生まれました。
ただ、それをしたい人は「ギャンブル」です。
投資はギャンブルじゃありません。
ギャンブルと投資の違いはいくつもありますが、違いの一つとして
再現性があるかどうか?
だと思っています。
ギャンブルではよく「必勝法」という言葉を耳にします。
しかしそれで実際に儲けられる人が、この世に何人いると思いますか?
投資は(資産運用は)、短期間で見るとマイナスもあるかもしれないですが
長期的に見れば、必ずプラスになっている
そんなお金の運用です。
「BRUTUS(ブルータス) 2018年6/1号No.870」の記事では「お金を迂回させる」という表現を使っていました。
その投資による利益、すなわち利回りの目安が
年で5%
これを目指そうということです。
年利とリスクについては「今更聞けない「複利」についてまとめました。」で詳しく話していますので、ぜひ読んでください。
参考
今更聞けない複利についてまとめました。公務員にメリットがある資産運用とは?
投資は、時間とコストがかかるもの
楽して儲けたい、損はしたくない
そういう人に限って
- 労力をかけるのが嫌い
- コストをかけるのが嫌い
- 時間をかけるのが嫌い
そんな傾向が強いです。
1年で50%も100%もリターンがあるような金融商品もあるかもしれません。
単年度でみたら、結果そうなっていたってこともあるでしょう。
しかしそれが、5年・10年後も続くなんてことはありません。
しっかりとした(お金の知識に関する)基礎が無ければ、「50%」のリターンをもらった翌年には「-150%」になっているのがオチです。
時間と相応のコストをかけて、じっくりしかし確実に増やしていくのが資産運用です。
この感覚は、実践してみないことには身につきません。
とりあえず始める前に押さえてきたいのは
投資は、お金(コスト)と時間がかかるもの
これをちゃんと覚えておきましょう。
リスクは分散させる、という考えをもつ
投資の世界には
卵は一つのカゴに盛るな
という格言があるようです。
私たちは「リスク」を管理することはできますが、「リターン」を管理することはできません。
先に話した「金融相場はプロでもわからない」からです。
年間で30%もリターンがあるなら、100万円だと年間30万か。
んじゃ、もっと多く突っ込めばより多くの利益が・・・
と考えて有り金全部、全資産をぶっ込む。
すると、どうなる?
さらに、そういう話を聞くと
資産を全て失いそうで怖い。
って思うのは当然ですよね。
話は少し変わりますが、ポートフォリオという言葉をご存じですか?
作品集という意味が強いようですが、お金の世界では
金融・投資用語としてのポートフォリオは、現金、預金、株式、債券、不動産など、投資家が保有している金融商品の一覧や、その組み合わせの内容(株式の銘柄などまで具体的に)を指しています
引用 ポートフォリオとは – Portfolioの意味と3つの業界での使い方-マイナビクリエイター
と言われていて、これが非常に大事になってきます。
要は
どの商品(カゴ)に、どの程度の資金(卵)を投じるのか。これをしっかり決めよ。
と言うことなんです。
ついついお金の知識が無い(もしくは現金=お金)と思っているひとは、全力投資してしまいます。
しかしそれではダメです。リスクを管理できていません。
投資で最も大事なことは「分散」させること。
ハイリターンが見込める商品があるなら、それを利用しても良いと思いますが、全額突っ込むことは避けて、無くなってもよい金額はいくらかを見定めてから始めるほうがいいでしょうね。
いつか始めるなら、早いほうがいい
忙しいし、なんだか怖いから、資産運用はしていません。
少ない資金で得られる利益なんか、たかがしれているから・・・。
そう考えてやってこなかったあなた。
「お金は銀行に預けるな-著:勝間和代」にある表現を引用すれば
「金融の勉強をしないから、いつまでも労働でしか対価を得られないために忙しい」のであって、かつ、「運用をしないから、いつまでも資金が少ないまま」なのです。
この通りだと思います。
まずは始めてみるところからがスタートです。
複利の観点からも、早ければ早いほうがメリットが非常に大きいです。
参考
今更聞けない複利についてまとめました。公務員にメリットがある資産運用とは?
最後に
もっと詳しく、より具体的な「方法」を知りたいよ。
一定の知識が得られればそう思いますよね。
詳しいことや、教師にオススメの資産運用については別記事にしてあります。どうぞご覧下さい。
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教師は公務員なので、職務専念義務等の法律上「知らなかったでは許されない」こともあります。勉強しておきましょう。
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- 職務専念義務を誤解していませんか?
とりあえず何か始めてみようかな
そう思えたあなたは、さっそく口座を作るところから始めましょう。
運用にかかるコストが抑えられるのは、非常にメリットが大きいです。
中でもオススメは、この2つ。
参考
参考
最近注目されていて、公務員もいよいよ解禁となったiDeCo(確定拠出年金)を始めて、自分の将来に備えるってのも賢い選択だと思います。
参考