先生が生徒と接するときに、気を付けたいこと。
あ~そうじゃない。ここはもっとこうしたほうが…。
「よかれ」と思い、あれこれ「指示」をすること。
ついつい我々は、「効率」や「良い結果(完成度・充実度が高い結果)」を求めてしまいます。
だからこそ
こうじゃなければ、ダメでしょ!
これをしたら、ダメでしょ!
このように、子どもや生徒のやることに対して
禁止や制限をすることが多くなってしまいます。
親だからこそ、理想を強く求めてしまいますから。
しかしこれが行き過ぎると、それは単に
価値観の押しつけ
です。
本日は
価値観を押し付けることなく、生徒の自主性を伸ばすにはどうしたらよいか?
について話を進めていきます。
生徒のモチベーションをあげる指導、ポイントはこの6つ!
リーダーシップとは?生徒に響く「声かけ」の違いについて
目次
「こうあればいいな」が「こうでなければならない」に変わる
私たちは、一つの考え方に縛られやすいです。
こうあればいいな。
と言う程度だった気持ちも、やがて
こうでなければならない!
に変わっていくことがあります。
例えば、あなたに絵心があったとします。
あなたなりに上手に書くポイントはいくつか知っています。
しかし、生徒はまだ知りません。
どうしたら上手くかけるのかわからなくなり、生徒の手は止まります。
ここで、教師の出番だな。
そう思い、あれこれアドバイスを矢継ぎ早にしていきます。
ここは、こうしたほうがいいんじゃないかな?
ここに、これを足してみたらどうだろう?
言われた通りに、生徒は書き足していきます。
すると、完成した絵は上手に書けました。
やった!アドバイスが上手く効いてくれた。よかった。
生徒が納得して書き進めていったのであれば問題はないかもしれませんが
気を付けたいのは
この指導方法が、絶対合っている!
と思い込んでしまうことです。
やがて、あなたの「価値観・美意識からズレるような作品」に出くわすと
ここは、こうしたほうがもっとうまくなるよ。
ここは、こうすればいいよ。
ついつい良かれと思って、あれこれ指導するうちに
ここは、こうしたらダメ!
ここは、こうしなさい!
と、制限や禁止が増えていくことになります。
やがて、教えたいという気持ちだけが前のめりに…。
否定されるとヤル気を無くす
絵が上手い人には、思うように書けない人の気持ちが分からないものです。
良かれと思ってあれこれ言ったことが、「マイナス」にしかならないことは結構多いです。
あなたも、こんな経験ありませんか?
否定されたり行動を制限されたりすると、強い反発心を持ったこと。
間違い無く「正論」であったとしても、主張の正しさを受け入れることが難しかったこと。
こうした考えや気持ちがキッカケとなって、生徒に「悩み」や「挫折」が生じます。
大人でもそうですが
ヤル気を無くしたのに「挑み続ける」ことは非常に難しいです。
進むつもりがなくなった道を、再び歩んでいくことは無いでしょう。
んじゃ、どうすればよかったの?
そして、「待つ」ということも大事になってきます。
ヤル気を出させるような声掛け
今すぐ実践できる「声かけ」でも話していますが
生徒のヤル気を損なわせないために必要なことは、「フィードバックの5段階」の1つ目を活用すること。
すなわち「客観的事実だけを伝える」ということです。
例えば、枠からはみ出して塗られていたとしても
枠からはみ出さないように。
と最初から言うのではなく
枠から色がはみ出しているね。
このように、事実だけを伝えます。
回りくどくない?時間もかかりそうだし。
確かに、この方法だと「生徒自身がどうしたいか?」に気づくまで時間はかかるでしょう。
効率も悪いかもしれません。
しかし、これによって
「生徒の主体性」が生まれます。
「知らないうちに(するつもりがなくて)」はみ出しているなら、自分が気づいて直そうとするはずです。
その後の流れについては、こちらの記事に詳しく書きましたので参考にしてください。
この、「自分で気づいて行動する」という
「主体性」こそ、「待ちの教育」によって得られる最大の効果
です。
アクティブラーニングを高校の授業でしたいけど、グループワーク以外に思いつかないあなたへ、3つのポイント
教えるときは、細かく伝える
例えば、コップの中に氷をどんどん入れていって一杯になったとします。
この状態で無理やり新たらしい氷を入れれば、器の方が壊れてしまうかもしれません。
でも、まだ隙間もたっぷりあるし…。
そんなときは
入れる氷を細かく砕いてあげれば、隙間を埋めるように入り込んでいきます。
スキマを埋めるように入っていった氷のおかげで、コップの中は前よりもたくさんの氷が入りましたし
なにより「もともとあった氷」達もブレなくなりました。
氷を知識に置き換えてください。
知識や技術を一方的に与えているばかりでは、すぐにいっぱいになってしまいます。
そこで、無理矢理押し込むのではなく
氷を砕いて粉にするように、教える側が「自分の知識をかみ砕いて」伝える
これによって、器(生徒)はすんなりとその知識を吸収することができます。
物事を細かくしていくというのは「チャンクダウン」とも言います。
効率よく、効果的に物事を進めるときには大事なことですので
覚えておいて損はありません。
成果をあげるためには、たった2割を集中すればよい?すべてを頑張ってしまうあなたに読んでほしい1冊
ちょこっとでも成果が出たら、褒めてあげる
待って、待って。その後に生徒自身なりに「答え」をだした。
そうしたら、どのような内容であっても「肯定」してあげてください。
生徒のモチベーションをあげる指導、ポイントはこの6つ! でも話しましたが
褒められることで「認められた」「出来た!」という喜びや快感が得られ
再びその感覚を得ようとして、自ら行動し始める。
これが期待できます。
生徒自身に「考える力」が育っていけば、生徒自身の知識や経験を「組み合わせ」て、生徒自身に襲い掛かる「悩み」や「不安」を、生徒自ら解決していけるようになります。
待つ、という教育がもたらすもの
生徒は、これからどんどん伸びていきます。
さまざまな可能性を秘めています。
それを活かすも殺すも、周りの大人次第。
特に、教育現場にいる教師の関わりが作用することは言うまでもありません。
教師の「価値観」を押し付けるだけでなく
生徒の「主体性」をはぐくむような
待ちの教育をしてあげること。
そうすれば生徒自身に考える力が自然と身に付き、生徒たちはより成長していくでしょう。
具体的には
- フィードバックの5段階を活用する。
- 伝えるときは、細かく噛み砕いて伝える。
この2点を意識してみてください。
生徒のモチベーションをあげる指導、ポイントはこの6つ!
リーダーシップとは?生徒に響く「声かけ」の違いについて
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