昔と違い、教師は常に生徒、及び保護者から評価される立場になってしまいました。
本日は、誰も教えてくれないけれど教師に求められる大事なことの一つ。
をアドバイスしたいと思います。
目次
生徒や保護者との対応に、模範解答は存在しない
生徒や保護者への信頼関係を築くには、一朝一夕で身につくものじゃないし、生徒保護者も千差万別なので
全てに当てはまる模範回答など存在しない
のが実情です。
反対にそんなものがあると過信していると「思い込みによる誤解」があなたに生じて、かえってトラブルを引き起こしてしまうので、くれぐれも
という事は念頭に置いておきましょう。
それでもやはり、生徒保護者に対してある一定の抑えるべきポイントはありますので、そこをお話ししようと思います。
保護者への連絡は悪い内容じゃなくいい内容の時も伝えるように
学校からの連絡というのは、保護者からするとストレスでしかありません。
こちらはそんなつもりなくても、どうしても立場が上になってしまい
- 高圧的な発言
- 高圧的な態度
になってしまう事も多いし、ともすれば教師というのはどこか「説教くさい人間」ですので、生徒や保護者からすると
うっとうしい
と感じてしまうことが多いです。
そうならないためには、自分の年代を意識した指導方法も大切です。
信頼関係が十分に構築されていない段階ではとくに、こちらから何もしていなくても(何も伝えていなくても)
なんです。
だからこそ「声かけ」って重要なんですよね。
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仮に「正しい内容」だったとしても
- 生徒保護者にとって耳の痛いこと
- ネガティブな内容
こんなことばかりを伝えていると、やはり良好な関係性は築きにくくなります。
人はみな、悪いところ(欠点)はよく目につきますが、いいところ(長所)はなかなか見つけにくいものです。
「意識をして褒める」これを心がけていれば、必然的に相手を認めることにもつながります。
ひいては、良好な信頼関係を構築できます。
どんな小さなことでもいいから、生徒のいいところを
というところから試してみてください。
生徒と保護者は教師にとってビジネスパートナー
ふた昔前なら、教師は絶対的な立場で
- 先生が言ってんだから間違いない
- 先生の言う通りにしなさい
- 先生に全てお任せします
などと、教師の扱いは一種の聖人君子のような扱いでしたが、時代が教師の扱いを大きく変えました。
これからの教師の仕事はどう変わる?!働き方やスタイルの変化を予想してみる
生徒、保護者に対して媚びへつらう必要は全くないですが、私の感覚としては、生徒、保護者は
というイメージで接してきました。
これによるメリットは2つあります。
- 教師としての一線を画して、なぁなぁの関係にならずに済むこと
- 互いを尊重し、認め合うことができること
具体的に見ていきましょう。
教師と生徒と保護者、それぞれ立場で学校に求めること
顧客に対して持ち上げ、媚びへつらう営業スタイルもあるかもしれませんが、多くの場合は
を得られる時に商談がまとまるものです。
どちらか一方にバイアスがかかることなく、お互いに対等な立場においてそれぞれにメリットがある。
これが、理想の営業だと思います。綺麗事ですが。
これが教師と生徒、保護者にも当てはまると私は思います。
生徒、保護者は、私たちに良質な教育を求めています。
ここでいう良質というのは、何もいい大学に入るためだけの知識理解を与えてくれるというものに限りません。
全ての教育活動に対してです。
と思ってもらうことが最高級の評価です。
反対に教師は、特に保護者に対して理解と協力を求めます。
教育は、「教師だけ・学校だけ」で行うのには限界があります。
なんせ、学校での生活なんて、1日のうち多くても12時間です。
残りの半分は睡眠時間もありますが、家庭で過ごしているわけです。長期休暇に入ればその割合が増します。
学校で見せる生徒の顔が、生徒本来の顔じゃ無いことも、よく知っているでしょ?
いかに家庭と連携して生徒を育てていくかと言うことが、大事になってきます。
そこで、さっき言った「いいことも積極的に伝えるように」というアドバイスを併せて考えます。
「ビジネスパートナー」で、「顧客でもある」保護者に対して
- 普段からネガティブな情報ばかり伝えている保護者
- 普段から良好な関係を築けている保護者
どちらの方がより「こちらの意図や目的」が伝わりやすいと思いますか?
当然、後者ですよね?
その良好な関係を築いていくためには、ネガティブな発言ばかりでは無理なことは、何年もかけてわかってくる内容です。
いきなりそんな達観した域に到着するのは不可能なので、まずあなたがすべき心構えとしては
- 顧客(生徒や保護者)は、あなた(教師)に、良質な教育を求めている
- あなたは顧客に、信頼関係を求めている
この2点を踏まえた上で、ビジネス上行われるであろうwin-winの関係、つまり
これが重要であるということです。
これは先にお話しした
に通ずるものでもあります。
褒めることと叱ることを同時に行うためのテクニック
記述の内容のとおり、生徒や保護者に対しては
ということをお話ししました。
しかし現実問題、生徒や保護者に対して話をしなくてはいけない多くの事柄は
ということです。
そこで、大事になってくるのは
というテクニックになります。
褒める時のテクニック、褒めるのを先にするか後にするか。
これは、心理学でいうところの
の観点から考えると答えがでてきます。
これを、生かせば
褒めて伸ばしたいときは、始めと終わりを褒めて、叱責したい内容は間に入れる
叱って伸ばしたいときは、始めに叱責して、褒めたい内容は間と最後に入れる
ということが、効果的になります。
叱って伸ばしたいときに
と思うかもしれません。
親近効果とは、どちらかというと
はたらくので、指導の場面を想像すると、大概1対1が想定されますから、初頭効果を意識して優先させているのです。
ポイントは
ということです。
また、叱責する内容は
ということも覚えておいてください。
沸点に来た時ほど、落ち着きをもって行動をとれるような教師になりたいものです。
アホを決め込む=謙虚になり、全面降伏するのも一つの手
ある意味、教師に限らず、「一種の処世術」にもなりますが
ということが教育活動では非常に有益にはたらくことがあります。
昔は尊敬されたかもしれませんが、今は違います。
偉そうな態度=尊敬にはつながりません。
先にもお話ししましたが、生徒保護者と教師は、対等のビジネスパートナーです。
上も下もありません。
と不安に思うかもしれませんが、そんなことで崩れてしまう威厳は、威厳ではなく
でしかありません。
今までいっぱい勉強してきて、周りに比べて努力もしてきたでしょうから
いきなりアホになれと言われて、おいそれと出来るものでもないでしょう。
しかし、この考えは、10年以上教師をしてきた私が得た、確かな答えです。
同僚にこんな人はいませんか?
- 俺もそれこなしてきたわ=何でもできるアピール
- 俺もそういう時あったな=何でも知っているアピール
それを聞いてあなたはどう思いますか?
その先生について行こうと思いますか?
むしろ反対に
実力を持っていながらも、本当は知っていながらも
といった姿勢の先生についてはどうですか?
おそらく、その人の実力を垣間見たときに、そのギャップでより魅力的な先生に見えると思います。
別の切り口を紹介すれば、学校関係者が不祥事を起こした時の謝罪会見を想像してください。
さも、学校長や教育委員会は
と言っているでしょう。
ひいては
と、正当化さえしていると思います。
仮に、本当に知らなくても、校長や教育委員会の人間が正当な判断をしていたとしても、これらを見て、そこから得られるのはどんな感情ですか?
「何にもわかっていないな、こいつ」
「お前がポンコツすぎるだろ」
といった感情を、見ている人は抱きます。
教師は何でもかんでも知っていないといけないということはありません。
それよりも、日々勉強しているという姿勢のほうが教師は大事だったりします。
ことわざでも
というものがあります。
特に教師という職業は、年齢やキャリアを重ねるとこれを忘れてしまいますので、あなたが中堅からベテランになった時にこそ、この言葉を思い出してほしいものです。
年代別の教育方法を知りたければ、生徒との対応、年代別の指導方法に詳しく書いているので、読んでください。
保護者は生徒の味方
これは、絶対に揺るがない真実です。
どんなに悪いことをしても、生徒が完全に悪だったとしても、保護者は生徒の味方をします。
保護者は生徒の言うことを無条件で信用します。
だって、この世で唯一の家族ですもの。他人である教師の言動に絶対の信頼を置くことなど、今の世の中ではまずありません。
不条理だろうが、こちらが正しいことをしていようが、生徒が保護者に伝えるときに歪んで伝わった場合などは特に、生徒の言うことを信じます。
もちろん程度はあるでしょうが、全面降伏ができる保護者など、まずいません。
話し合いで理解、合意に至ったとしても、保護者の中では一種のしこりのように深くそのわだかまりが残っていきます。
これを防ぐ方法はいくつかありますが、最も効果的なのは、初めの一手にあります。
という方法です。
こういった類のトラブルの大半は、往々にして
ということにほかなりません。
軽々しい発言は避けてください。
と常に思って発言してください。
私の失敗談なら、こちら。
慣れない頃は
と感じるかもしれませんが、そのうち慣れてきます。
きちんと届けたい言葉は、それなりの熱量をもって届くようになるので、安心してください。
以前の記事でも書きましたが、自分の身は自分でしか守れません。
そのために出来ることは全て行いましょう。
参考
生徒や保護者との関係をうまく築きたい方必見!誰も教えてくれない7つのテクニック
生徒を信用するが信頼してはいけない
これは、上記の
に関わる補足のようなものです。
信頼していたからこそ、言葉や表現が砕けることもあると思います。
いわば、信頼というより慣れに近いかもしれませんが。
生徒に放った言葉一つで校長から呼び出された話で詳しく話しているので、そちらをご覧いただきたいですが
私も以前こういうことがありました。
授業中に、不用意に発言した内容が、保護者にとってみれば不愉快だったようで、翌日、教育委員会と校長にその旨のクレームが入ったということでした。
具体的にどのような語気で、生徒から保護者に伝わったかまではわかりません。
しかし、私はこの時に悟りました。
- いくら信頼関係があった(誤信、過信含む)としても、生徒を信頼してはいけない。
- 信頼しての言動を極力避けるべきだと
そう感じました。
しかし、生徒を信用しないと、まっとうな教育活動はできません。
なので、信頼をしない代わりに信用はしてください。
違いは明確で
- 信用は実績に裏付けされるものです。
- 信頼は信用をよりどころに頼ることです。
明確に使い分けて行うのは難しいかもしれませんが、ついつい生徒とのやり取りを繰り返していくと、信用を積み重ねたことにより、信頼にまで発展してしまうことがあります。
それが功を奏す場合も多分にあるので、こればかりはあなた次第と言わざるを得ませんが、私みたいなことが起こりうるリスクのほうが、昨今の教育現場では高いように思いますので、一考してみる価値は十分にあると思います。
良好な関係を築く7つのテクニックまとめ
本日のポイントをおさらいします。
- 生徒保護者に対する対応に、模範解答などは存在しない
- 保護者への連絡は悪い内容じゃなくいい内容の時も伝えるように
- 生徒と保護者は教師にとってビジネスパートナー
- 褒めることと叱ることを同時に行う
- アホを決め込む=謙虚になり、全面降伏するのも一つの手
- 保護者は生徒の味方
- 生徒を信用するが信頼してはいけない
以上7つが、生徒や保護者と良好な関係を築き上げるポイントになります。
ぜひ参考にしてみてください。